H1H1H1H1H1H1H1H1H1H1H1H1H1

あずまがわ小児科クリニックブログ

第27回トゥレット研究会報告号から―難治性トゥレット症候群に対する認知行動療法の検討―

2021年12月31日        

難治性ということなので、当然、薬物療法に抵抗性なのですが、そういう患者さんに包括的行動的介入(CBIT:Comprehensive Behavioral Intervention for Tics)を行った報告です。

チックへの行動的介入パッケージには①心理教育②セルフモニタリング③リラクゼーション法④機能分析⑤強化のためのソーシャルサポート⑥ハビットリバーサルトレーニング であるが、CBITの中心はハビットリバーサルであり、他の要素は支持的な役割とされています。

ハビットリバーサルは前駆衝動への意識を高めるトレーニング(気づきの練習)とチックに対する拮抗反応の探索という2つの要素からなります。気づきの練習では、まずチック事態に気づく練習を行い、チックの前触れ(前駆衝動)に気づく練習を行い、チックが出る前にチックに対処できるようになることを目指します。さらに対象となるチック症状を分析し、それに合わせた拮抗反応を探索します。拮抗反応とはその行動をとっていると対象となるチック症状を物理的に出すことができない行動、あるいは元のチック症状より楽な修正されたチック症状をさします。

CBITは軽―中等症のチック症状に対して、薬物療法より副作用がなく有効であると報告されてもいましたが、日本ではCBITのトレーナーの数が限られており、海外とは様相が異なりますし、難治性の患者さんではうまくいかない場合もありますし、週1回9-12回のセッションで十分なのかという提案もなされていました。

さて、本日、大晦日です。今年、1年ありがとうございました。関係各位のご尽力により乗り切りました。弱毒化してきたコロナウイルスなんかに負けないで、来年もうち勝ちましょう、どうぞよろしくお願い申し上げます。

 

メニュー
© あずまがわ小児科クリニック

TOP