小児神経
小児神経の診療
当院では、発達障害、チック(トゥレット症候群含む)、てんかんをはじめ、脳神経、筋に何らかの異常がある小児についても診療いたします。
発達障害
発達障害は、子どもが成長していく過程のどこかに(出生前あるいは幼児期、学童期に)問題が生じてくることを指しています。脳機能(認知)の障害であり、親の育て方やしつけが原因でもなく、精神疾患でもありません。 発達障害には以下のとおり分類されます。
注意欠如・多動性障害(ADHD)
多動性、不注意、衝動性などの特性をもつ発達障害
自閉症スペクトラム障害(ASD)
コミュニケーションおよび対人関係の障害とこだわりを中心とする障害
学習障害(LD)
全般的な知的発達に遅れはないものの、聞く、話す、読む、書く、計算する、推論するなどの習得と使用に著しい困難を示す障害
下記のような場合はご相談ください
- 言葉が遅い
- 会話が成り立たない
- 集団行動がとれない
- 友人と遊べない
- 落ち着きが無い
- 気が散りやすい
- 思い通りにいかないとパニックになる
- 感情コントロールができない
- 自分勝手な振る舞いが目立つ
- 好きなことしかしない
- こだわりがひどく強い
- 勉強について行けない
- 手先が不器用
- 音に過敏
- 学校に行けない
- 教室に入れない
- 育児がうまくいかない など
チック障害
チック障害とは、突発的で不規則な体の一部の速い動きや発声を繰返す状態が、一定期間継続する障害で、ドーパミン神経系の発達が問題と考えられています。 なお、チック障害は下記のように分類されます。
一過性チック障害
運動チックおよび音声チックの両方またはいずれか一方の症状が4週間以上12カ月未満持続
慢性チック障害
運動チックと音声チックどちらか一方の症状が12カ月以上持続し、3カ月以上持続してチックが消失することがない
トゥレット症候群
多種類の運動チックとひとつまたはそれ以上の音声チックが1年以上にわたり続く場合、トゥレット症候群と診断されます。
下記のような場合はご相談ください
- 瞬き
- 首振り
- 顔しかめ
- 物にさわる
- 物をける
- 飛び上がる
- 発声
- 咳払い
- 鼻、のど鳴らし
- 汚言(人前や社会的な場で、言うことがはばかられるような汚い言葉をいってしまう)
- 反響言語(人の言ったことを繰り返してしまう)
てんかん
てんかんは、熱が無いのにひきつけたり、ボーっとしたり、意識がなくなるなどする脳の病気です。こうした発作は、脳神経の異常な電気的活動(電気発射)によって起こります。
また、てんかん発作は繰り返し起こるのが特徴であり、1回だけの発作では、通常はてんかんという診断は下されません。
てんかん発作の型は、脳の病的な電気的活動が、脳のどの場所に生じるかによって異なるため多様な発作型が認められます。
てんかんの原因
てんかんの原因は多岐にわたり、脳の外傷や腫瘍、脳炎、髄膜炎などの後天性の脳疾患が原因となる場合や脳の形成障害、代謝疾患などの先天性の原因による場合などがあります。これらを「症候性」てんかんと言います。
しかし、多くを占めるのが、原因のはっきりしない「特発性」と言われるタイプです。この場合は、いろいろな検査をしても異常が見つかりません。
検査と診断
脳の異常興奮は脳波の異常として捉えられることが多いため、脳波計による検査はてんかんの診断には必要です。また「症候性」てんかんを疑う場合には画像検査も必要になります。※脳波、画像検査は、連携している連携病院をご紹介します。
治療について
抗てんかん薬を使って治療します。てんかんは薬による治療効果が高い疾患で、薬が適切できちんと内服すれば、多くの患者さんで発作のコントロールが可能です。抗てんかん薬による副作用に注意しながら最小限のお薬でコントロールし、将来的に減量中止を目指したいものです。