かぜは、鼻からのどまでの上気道に感染が起こる炎症性の疾患で、子どもの病気のなかでも、いちばん多く見受けられます。症状としては、くしゃみ、咳、鼻水、鼻づまり、のどの痛み、発熱、痰がからむなどがあり、原因のほとんどが鼻やのどの粘膜からのウイルス感染です。ほとんどの場合は1週間ほどで症状は軽くなり、本人の免疫力で自然に治ります。しかし、かぜと診断されていても、その後、気管支炎や肺炎に進行する場合もありますので、熱を含めた症状の経過をしっかり観察することが重要です。症状が強かったり、長引いたりする場合は当クリニックを受診してください。

発熱自体はウイルスや細菌感染に対する生体反応なのでやむを得ませんが、長引いたときには注意が必要です。水分が摂れなくておしっこが出ない、嘔吐が続く、顔色が悪い、元気が無くぐったりしている、意識がはっきりしない、あるいはけいれんを起こしてしまった場合などには、早めに医療機関を受診してください。また生後3ヶ月までの赤ちゃんが熱を出したときは、重い細菌感染症である可能性もあるので、早めに医療機関を受診しましょう。

お子様が訴える痛みのうち、特に多いのが腹痛です。感染性胃腸炎、食中毒、便秘などは腹痛の原因として多く経験されますが、消化器以外にもさまざまな原因から腹痛を訴えることがあります。腹痛を起こす病気のなかには緊急を要するものもありますので、原因のはっきりしない腹痛の場合は、早めにご相談ください。

乳児はよく下痢をします。下痢が治まらず、ぐったりとして元気が無いようなケースでは脱水症が疑われます。その場合は、少しずつ水分補給をしてあげましょう。それでも改善しないときは点滴による水分補給が必要ですので、早めにご相談ください。

小さなお子様は、ちょっとした刺激で、よくおう吐します。吐いた後もふだんと変わらない状態でしたら、そのまま様子を見ていれば良いでしょう。ただし、繰り返し吐いたり、吐いた後もぐったりしているような時は、胃腸や神経の病気によるおう吐の可能性があるので、早めにご相談ください。

お子様が息苦しさを訴える際は、喘息などによる場合が多いです。その場合は、程度に応じて、吸入・点滴療法といった処置が必要になります。ただ、喘息の傾向や既往が無いのに、突然、息苦しさを訴えたような場合は、気管内に異物が入ってしまった可能性があります。こうした場合は、救急処置が必要ですので、早急に医療機関までご連絡ください。