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あずまがわ小児科クリニックブログ

インフルエンザ治療セミナー

2019年10月19日        

先日、けいゆう病院感染制御センターセンター長・小児科の菅谷憲夫先生のお話を聞きに行ってきました。

菅谷先生は高名な先生で、以前からインフルエンザシーズンの始まる前によく話を伺ってきました。今回も流行状況、迅速診断キットから始まり、国内外のインフルエンザ治療について詳細なお話を聞くことができました。

日本では様々な剤型の抗インフルエンザ薬が発売されていますがその代表的なものはノイラミニダーゼ阻害剤であるオセルタミビルで、そのデータが世界的に蓄積されているようでした。日本では発症早期にほぼすべての患者さんに迅速キットで検査を行い、陽性者に薬剤を投与していますが、その結果、米国をはじめとしてどの国よりも低い死亡率を達成しているというものでした。結論として抗インフルエンザ薬は重症化予防のために、発症初期に多くの患者さんに服薬していただくことが望ましいということでした。抗ウイルス薬を内服しても24時間くらいしか有熱期間が短縮しないし、飲まなくても治る病気だからオセルタミビルいらないよ、というお医者さんもおられましたが、海外との死者の数を比べると服薬する意義は間違いなくあると思いました。10代の患者さんで異常行動との因果関係も論じられましたが、服薬していない患者さんでも認められ、現在は服薬を控えなくてよいこととなっています。一方で2年くらい前に発売され、昨シーズン初めて実臨床に使用されたパロキサビルマルボキシルは耐性ウイルスができやすいことがわかってきました。ノイラミニダーゼ阻害剤でも耐性ウイルスはできていましたが、こちらの耐性ウイルスは増殖性が高いことがわかっており、今後は慎重な使用が必要かもしれません。1回経口投与というのは魅力的ですが、、、今後のデータの蓄積が必要です。

海外では重症者に発症5日目でも投与していることらしいので、発症から48時間を超えていても服薬したほうがよいのかしらと質問したら、もしご自身がそうだったらやっぱり飲みたいですよね、とのお答えでした。

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